ハチミツとローヤルゼリーの違い
まず、ハチミツとローヤルゼリーは、見た目も含まれる栄養もまったく異なります。 ハチミツは働きバチが花の蜜を集めて、巣の中で熟成させた甘味料。主に働きバチたちの餌になります。
これに対してローヤルゼリーは、働きバチが花粉やハチミツを体内で分解、合成。それを下アゴの咽頭腺(いんとうせん)、上アゴの大アゴ腺から分泌したものです。
ハチミツとは違い、乳白色のクリームのような形状をしており、酸味が強いのが特徴となります。
またローヤルゼリーを作れるのは生後10日前後の若い働きバチだけ。生涯に分泌できる量が限られているので、非常に貴重なのです。
ローヤルゼリーは女王バチの特別食
ローヤルゼリーは女王バチの餌となるのですが、これは女王バチだけが食べることを許された特別食です。そして女王バチは生涯に渡って、ローヤルゼリー以外のものを食べることがありません。
ローヤルゼリーにはロイヤラクチンという良質のたんぱく質が含まれていて、これが女王バチの成長に大きく作用します。
ローヤルゼリーを食べて育った女王バチは、身体の大きさも通常の働きバチの2~3倍。さらに寿命は30~40倍にまでなり、一日1500個以上の卵を産めるようになります。
ローヤルゼリーはミツバチが子孫を繁栄させていくために、なくてはならないものなのです。
生まれたてのミツバチはみんな同じ
女王バチは生まれながらにして特別なわけではありません。生後三日目までは、ミツバチはすべてが同じ生態を持っているのです。
生後三日まではどの個体も等しく、ローヤルゼリーよりも栄養価の低い「ワーカーゼリー」というものを餌とします。
そして生後四日目から、女王バチとなる幼虫にはローヤルゼリーが与えられるようになり、そこから身体の大きさや特徴が大きく変化していくのです。
女王バチの成長に遺伝的なものはまったくありません。ローヤルゼリーの栄養価のみで変化をとげるのです。
働きバチとの違いを見れば、いかに栄養価が高いかは目に見えて明らかでしょう。
ローヤルゼリーは栄養の宝庫
ローヤルゼリーの歴史
ローヤルゼリーには、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸など、人間の体内では生成できない栄養素が豊富に含まれています。
また、たんぱく質、炭水化物、脂質の三大栄養素、その他にも40種類以上もの栄養素を含んでいることから、まさに栄養の宝庫と呼べる代物です。
具体例では、1954年、ローマ法王のピオ12世が肺炎と老衰で危篤に陥った際にもローヤルゼリーが投与され、奇跡的な回復をとげたという話があります。
このときローマ法王は78歳で、病魔と闘うにはなかなかの高齢。ローヤルゼリーの神秘的な力を思い知らされる逸話です。