生活習慣病や更年期障害の予防、ダイエットや美容などに効果的なローヤルゼリー。
人気の健康食品ですが、大々的に取り上げられている効果は大人向けのものが目立ちます。
健康にいいのであれば、育ち盛りの子供にも是非摂取させてあげたいところ。しかし同じくハチの巣から採れるハチミツは、1歳未満に食べさせることが禁止されていたりもします。
ローヤルゼリーは子供が摂取しても大丈夫なのでしょうか。以下で詳しく解説していきます。
ローヤルゼリーは子供が摂取しても大丈夫?
1歳未満の子供には「乳児ボツリヌス症」の危険性
まずハチミツの1歳未満の摂取が禁止されている理由は「乳児ボツリヌス症」を引き起こす危険があるからです。同じくハチの巣から採れるローヤルゼリーにも、この危険性があります。
ボツリヌス菌は土の中で主に繁殖し、そこから生えている植物を汚染していることが多いのです。ローヤルゼリーは、働きバチが集めてきた花の蜜や、花粉が元になって作られているので、ボツリヌス菌が潜んでいる場合が大いにあります。
1歳未満の乳幼児は腸内細菌の力がまだ弱いので、ボツリヌス菌が入り込むと繁殖を抑え込めず、乳児ボツリヌス症を発症してしまうのです。
症状は便秘や食中毒、筋力や哺乳力の低下もあり、自分のよだれで息ができなくなって亡くなってしまったなんてこともあります。1歳未満の子供には、絶対にローヤルゼリーを与えてはいけません。
6歳未満の子供には栄養が吸収しきれない
1歳未満の乳児ボツリヌス症の危険性に限らず、ローヤルゼリーの多くの商品パッケージには、6歳未満の子供に与えるのを控えたほうがいいと記されています。
これはどうしてかというと、ローヤルゼリーの豊富な栄養素を、6歳未満の未熟な消化系統では吸収しきれないことから。よって健康面の効果も薄く、下痢や嘔吐を起こす危険性もあるので、控えたほうがよいとされているのです。
子供じゃなくても控えた方がいい場合も
アレルギーや喘息を持っている人
6歳を過ぎても、ローヤルゼリーの摂取を控えたほうがいい体質の人もいます。前述の通り、ローヤルゼリーは花の蜜や花粉が元になって作られていることや、含まれるたんぱく質によってアレルギーを引き起こすことがあるのです。
このアレルギーによって気管支炎になり、喘息を引き起こすこともあります。ローヤルゼリーを摂取して体調に異変を感じるようなら、摂取を控えるなり、医師に相談するなりしましょう。
蜂に刺された経験がある人
ローヤルゼリーを摂取してアナフィラキシーショックを引き起こしたケースもあります。
アナフィラキシーショックとは、ハチに刺されたときに起こる免疫の過剰反応のこと。ハチに一度刺されたことがある人は、体ハチの毒に対する抗体が体内にできることがあります。これが過剰に反応してしまい、全身を強いアレルギー反応に襲われることがあるのです。
症状は蕁麻疹(じんましん)、呼吸困難、意識障害など。場合によっては死に至ることもあります。
ローヤルゼリーはハチの毒とは違う物質ですが、ハチの体内で合成されたものには変わりありません。ハチに刺された経験がある人は、抗体が反応してアナフィラキシーショックを引き起こしてしまうこともあるのです。
またハチに刺された人でも、刺されてから時間が経てば抗体が薄れていきます。これは病院でも検査してもらうことができるので、ローヤルゼリーを摂取したい場合など、検討してみてはいかがでしょうか。
ローヤルゼリーは子供の成長を手伝ってくれる
ここまでローヤルゼリーの摂取を控えたほうがいい例を見てきましたが、同時にローヤルゼリーは子供の成長を大いにサポートしてくれる効果も持っています。
嬉しい栄養素が満点
ローヤルゼリーに含まれるビタミンBやアミノ酸には、身体の細胞を活性化する作用があります。骨や歯、肌や髪など人体を構成するあらゆる細胞の健康的な発育をうながしてくれるのです。
またアミノ酸は筋肉の元になるたんぱく質を合成する効果もあり、燃焼されてエネルギーにもなるので、疲労回復にも効果的。これは勉強や部活などで忙しい中高生のころに嬉しい効果です。
そしてローヤルゼリーを摂取していると、風邪をひきにくくなるなどといわれますが、これはデセン酸の抗菌作用のおかげ。子供は大人に比べて免疫力が低いので、免疫力を補う意味でもオススメです。
6歳以降様子見しながら摂取していくのがオススメ
日本健康・栄養食品協会では、ローヤルゼリーの一日の摂取量を500mg~3000mgとしています。
6歳を過ぎれば子供もローヤルゼリーを摂取できるようになりますが、消化系統の発達の関係もあるので、最初は大人の半分ぐらいの量(250mgぐらい)から様子見していくのがいいでしょう。
ローヤルゼリーは酸味が強く、子供には食べづらい場合もあります。ヨーグルトなどに混ぜると食べやすいほか、ドリンクタイプや子供向けのものもあるので、その辺りも工夫して与えるといいでしょう。