ローヤルゼリーの豊富な栄養素の源とは?
ローヤルゼリーはリジンやメチオニンなどのアミノ酸を含む良質なタンパク質だけでなく、銅や亜鉛といったミネラル、デセン酸などの脂肪酸、多彩なビタミン類などを含んでいます。
多くの栄養素がバランスよく含まれたローヤルゼリーですが、どうしてそれほどの栄養素を持つことができるのでしょうか?その秘密に迫ってみます。
秘密の1つは原料である植物の花粉にある
ローヤルゼリーは、ミツバチのうち若い働きバチが花粉やハチミツを食べてできています。
働きバチたちが食べる植物の花粉は、人間でいうところの精子にあたる存在です。ですので、他の茎や葉、根っこの部分と比べると、はるかに豊富な栄養分を含んでいます。
植物の花粉に含まれる栄養素
植物の花粉にはタンパク質、糖質、脂質がバランスよく含まれています。さらに、ビタミンやミネラル、アミノ酸など豊富な栄養素を含む物質です。
ビタミンでは、ビタミンB1、B2、B6、B12のほか、ビオチンや葉酸などを含みます。ミネラルでは銅、鉄分、亜鉛やマグネシウム、アミノ酸ではグリシンやアルギニン、タウリン、リジンが含まれるという豊富さです。
花粉の豊富な栄養素が、ローヤルゼリーの持つ栄養分の基礎を作っているのです。
花粉は東洋では薬として食べられていた
昔から、東洋では植物の花粉を薬として食べてきました。
中国の明代の歴史書「本草綱目」では、花粉は腎臓、心臓、肺に効く食物として紹介されています。現代では花粉症の原因として敬遠されがちな花粉ですが、貴重な薬としても扱われてきたのです。
巣に持ち帰られる花粉
働きバチは、自分の身体についた花粉を丸め、「花粉荷」として巣に持ち帰ります。この花粉荷は、そのままではあまり保存がきかないので、働きバチによってハチミツが塗りこまれ、ダンゴのような形で保存されます。
保存されている間に、乳酸菌などの作用によって発酵が促され、「蜂パン」と呼ばれる物質に変化します。
この蜂パンは幼虫にも与えられますが、働きバチ自身にも栄養分として食され、ローヤルゼリーを分泌する栄養素となります。
花粉とミツバチの融合で生まれるローヤルゼリー
ハチミツが糖分を主とした栄養素を持ち、働きバチたちのエネルギー源となるのに対し、植物の花粉からできた花粉荷や蜂パンは、タンパク質やアミノ酸を豊富に含む身体を形成する重要な栄養素となります。
この両方が若い働きバチの体内で分解・合成され、ローヤルゼリーは産み出されています。原料である花粉や花のミツにはなかった、デセン酸などの脂肪酸が生み出されるのは、この過程があるからです。
ローヤルゼリーは、花粉とミツバチの融合で生み出される貴重な食品なのです。